【課題解決】半導体製造装置における部品加工の効率化を実現

2025/04/16 コラム

半導体の微細化や高集積化が進むなか、加工メーカーでは、高精度加工と生産性の両立が重要なテーマになっています。特に、半導体製造装置部品の加工では、チッピングや工具寿命といった課題に直面する場面も少なくありません。
本コラムでは、半導体製造装置部品の加工現場の課題と、ダイヤモンドホイールを使った課題解決をご紹介します。

硬脆材料における加工の課題

硬脆材料における加工の課題

半導体製造装置に使われる部品には、耐熱性や絶縁性が求められるため、石英やセラミックスといった硬脆材料が多く使われています。これらの部品は前工程や後工程を問わず、広く使用されており、高品質な加工が欠かせません。
しかし、硬くて脆い材料の加工は簡単ではありません。加工効率を上げようとすると、研削時の負荷によってワークのエッジがカケたり、熱によるワレが生じたりするリスクが高まります。
さらに、これらの材料は工具への負荷も大きいため、工具の寿命が短くなりがちです。その結果、工具交換の回数が増え、段取り時間やランニングコストの増加が避けられませんでした。

硬脆材料における加工の課題

〈課題のポイント〉

  • 加工効率を上げると、ワークのカケやワレが発生
  • 硬脆材料の加工は工具寿命が短く、交換作業とコストが増加

ダイヤモンドホイールによる課題解決

一般的に、硬脆材料の加工には、ダイヤモンドの粒を切れ刃にした「ダイヤモンドホイール」が使用されます。しかしダイヤモンドホイールは、高い切れ味を持つ一方、加工時にカケやワレといったチッピングが発生しやすいという課題がありました。そこで活用されているのが、東京ダイヤモンド工具製作所のダイヤモンドホイールです。

東京ダイヤモンド工具製作所のダイヤモンドホイールは、長年にわたり培ってきた砥粒・ボンド選定と、スリット形状設計のノウハウにより、高い切れ味を実現。ワークのチッピングを抑えつつ加工速度を上げることができ、高精度な加工と生産性の向上を両立します。
さらに、切れ味が長く高寿命のため、ドレッシングや工具交換の回数が少なくなり、段取り時間やコスト削減にもつながります。

石英ガラスを用いたエッチング装置向け部品や、シリコンウェハーを固定する静電チャックなど、半導体製造装置部品の加工に広く採用されています。

ダイヤモンドホイールによる課題解決

〈改善のポイント〉

  • 硬脆材料のカケ・ワレを抑制し、加工効率を向上
  • 工具の高寿命化で、ランニングコストを低減

半導体製造装置部品の加工におすすめの工具

【荒加工に最適】

ダイヤモンドペレットホイール

ダイヤモンドペレットホイール

ロータリー平面研削盤による、大面積の平坦化加工に適した研削ホイール。
ペレットを整列配置することで加工点への研削液の回りを向上させ、熱による加工ワークと研削ホイール両方のダメージを抑止します。
ペレットは交換可能で、ベース台金を再利用することで、ホイールコストを低減することができます。

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【精密加工に最適】

メタルボンド軸付ホイール

メタルボンド軸付ホイール

マシニングセンタ/グライディングセンタの研削加工に適した軸付ホイール。
メタルボンドは、砥粒保持力が高く硬い材料の加工でも高い切れ味を発揮します。また熱伝導率も良く、加工点に熱がこもりにくいため、硬脆材料の熱クラック発生を抑止することができます。
電着工具と比較して寿命が長く、特に硬いSiC・窒化アルミニウムなどのセラミックス加工に最適です。

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【銅汚染を嫌う部品に最適】

カッパーフリーメタルボンド軸付ホイール

カッパーフリーメタルボンド軸付ホイール

銅を用いない独自のボンド配合で、ブロンズ系ボンドと遜色のない機械的特性を実現した、カッパーフリーの軸付ホイール。銅汚染を抑止し、洗浄・除去などの後工程を軽減することができます。
銅汚染を嫌う前工程で使用される治具や部品の加工に最適です。

◎製品の詳細はこちら

今すぐ!ご相談ください

半導体の微細化や高性能化にともない、製造装置に使われる部品の加工にも、これまで以上の高精度と高品質が求められており、これまで許容されていたチッピングも「不良」と判定され、歩留まりが下がるケースが増えています。

東京ダイヤモンド工具製作所では、加工条件や材料に合わせた、最適なボンド仕様のご提案が可能です。用途にあわせて、さまざまな形状バリエーションもご提案させていただきます。
(コアドリル形状が難しい小径ホイールでも、切粉の排出性をよくするためスリット入りの形状なども設計可能です)

国内外の製造現場から寄せられるご相談が、年々増加しています。歩留まりの向上や品質の安定化に向けて、まずはお気軽にご相談ください。