半導体業界向け|ダイヤモンドホイールによるセラミックス加工例
ダイヤモンドホイールは、ダイヤモンドの粒を切れ刃にした研削/切削砥石です。半導体製造プロセスでは、ウェーハなど硬脆性材料の加工工具として使用されていますが、半導体の設備需要が増えるなか、半導体製造装置部品に使われるセラミックスの加工ニーズも急増しています。
このコラムでは、ダイヤモンドホイールによる「セラミックス加工」の課題解決例をまとめています。
半導体業界におけるセラミックス加工の課題
セラミックスは、耐摩耗性や耐熱性、摺動性、絶縁性などの特性を持った無機化合物で、幅広い産業で使われています。なかでも特性に優れた「ファインセラミックス(高機能セラミックス)」は、半導体製造装置に必要不可欠な材料となっています。
〈半導体製造装置におけるセラミックスの用途例〉
部品例 | セラミクッスの特性 | |
---|---|---|
各種装置部品 | 耐摩耗性 | パーティクルの発生を抑えコンタミを防止 |
静電チャック | 熱伝導性 | ウェーハに対する熱伝導率がよい |
フォーカスリング | 耐プラズマ性 | プラズマが発生するチャンバー内で使用できる |
ウェハボート | 耐熱性 | 高温環境のチャンバー内に設置できる |
ファインセラミックスについて:
ファインセラミックスは、金属やプラスチックでは得られない耐食性や耐熱性といった優れた機能と特性を持つことから、その用途は情報通信部品や光学部品、生活部材へと多岐にわたり、幅広い産業における必須の材料であるといえます
引用元: ファインセラミックス製品製造業|厚生労働省
半導体製造装置に使われる、SiCや窒化アルミニウムなどのセラミックスは、硬くて脆い難削材としても知られ、部品加工メーカーでは、いかに効率よくセラミックスを加工するかが課題となっています。そこで使われているのが、ダイヤモンドホイールです。
ダイヤモンドは地球上で最も硬い物質で、一般砥粒では加工が難しい硬脆性材料の加工に最適です。一般砥石とくらべ工具寿命も長く、高効率な加工条件を用いることができるため、セラミックス加工に欠かせない工具として、現場のさまざまな課題を解決しています。
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ダイヤモンド工具によるセラミックス加工の課題解決例
東京ダイヤモンド工具製作所では、セラミックスの加工に役立つ、各種ダイヤモンド工具をラインナップしています。 ダイヤモンド工具によるセラミックス加工の課題解決例をご紹介します。
SiCの総形溝入れ加工の課題解決
複数枚のメタルボンドホイールや電着ホイールを使用したSiCの総形溝入れ加工は、研削負荷で振動が発生しやすく、カケ・チッピングが発生しやすい課題がありました。
東京ダイヤモンド工具製作所では、樹脂と金属の複合レジンボンドホイールを開発。カケ・チッピングの発生を改善するとともに、高い形状維持性、研削持続性、高寿命を実現しました。
窒化アルミニウムのザグリ加工の課題解決
窒化アルミニウムなどのセラミックスのザグリ加工では、常に安定した研削性能が求められます。
東京ダイヤモンド工具製作所では、低電流値で切れ味を向上させ、安定した研削性能が発揮できるボンドを開発。従来ボンドと比較して研削抵抗を下げ、安定した研削加工が可能です。
セラミックスの高効率加工の課題解決
セラミックスの加工では、切れ味を持続させながら短い時間で高能率に加工する工具が求められています。
東京ダイヤモンド工具製作所では、セルフドレッシング効果に優れたメタルボンドを開発。レジンボンドの切れ味とメタルボンドの耐摩耗性を併せ持つホイールで、セラミックスの高効率加工を実現します。
セラミックスの超音波援用加工の課題解決
SiCなどセラミックスの高能率加工に向けて、超音波援用研削加工を導入する企業が増えています。
東京ダイヤモンド工具製作所では、共振振動を効率よくワークに伝えることができる、超音波援用軸付きホイールを開発。ボンド仕様を最適化することで、切れ味と耐摩耗性を両立し、セラミックスの高能率加工を実現します。
セラミックス加工の課題はお気軽にご相談ください
東京ダイヤモンド工具製作所では、今回ご紹介した課題解決の事例をはじめ、半導体製造装置におけるセラミックスの高効率加工に多数の実績があります。加工内容や目的にあわせて、最適な研削ホイールをご提案。ホイールひとつから仕様設計、受注生産いたします。
セラミックス加工におけるダイヤモンド工具の選定やカスタマイズでお困りでしたら、ぜひ一度東京ダイヤモンド工具製作所までお問い合わせください。